【〜remember me〜】

訳→私を忘れないで  


これは旅行中に免税店で買った某ブランドの香水の対になっているやつの名前なんです。                                 全然知らなくて店員に人気あるんですよ〜と言われて、気に入った香りだったので即買いしたんですが、後から友達に聞いてちょっとロマンチックなネーミングにドキドキいたしましたv v                                     もう1つの香水、私が買ったのは次のシンステ小説のタイトルにでもしようと思っています☆


今回のアスカガは伊豆の有名な恋人岬の話なんですが、そこから1つ移された鐘がグアムにもあってバスガイドさんの話を聞いて感動したのでアスカガパロにしてみました。                                                知っている人は知っていると思いますよ!最近アニメのゴーストハントでもやっていたので・・・                                                                          輪廻転生の話なんで途中やっぱりアスカガ死んじゃうんですけど、サクジロウはちょっと死ネタが苦手なので(嫌、幸せなのは好きですが・・・)勝手に転生させてしまいました。                                                   


復活すると分かってても死ぬ話は嫌じゃ!って人や、恋人岬の伝説を崩されたくない!って方はご覧になられないことをおススメします〜・・・(小心                                                                        よろしければ続きからどうぞ


まだ途中までデス!!きりのいいところでアップしました☆                                                          さらにちょっと追加!今からバイトなので帰ってからまたまた更新します!!


また追加!!(笑


完全掲載しました!!恐ろしく長い気がします・・・(ぇ                                                                 大変遅くなりました・・・よろしければ続きからどうぞ


 

きっとこの場所でまた会える・・・                                                                                          生まれ変わってもきっとお前に、君に、恋をする・・・


だから・・・


remember me


「うわぁ〜〜〜〜綺麗な所だなぁ!!」                                                               「ちょっ!カガリ危ないわよ!」                                                                                「それにしてもカガリがここに来たがるとは珍しいわね〜」                                                     ミリアリアの忠告に、身を乗り出していた崖沿いの柵から飛び降りたカガリはフレイの言葉に頭を捻った。                                                                       「う〜ん・・・確かに・・・なんでだろうなぁ?」                                                                           「確かに絶景所ですが、海の中を歩くアクティブツアーでなくてこちらの名所巡りツアーを取られるのはカガリさんにしたらお珍しいですわね」                                                                     カガリ同様首をかしげたラクスは心底不思議そうな瞳でカガリを見つめた。                                                      三年間の高校生活。1年から3年まで同じクラスで大親友になったカガリ達4人組みは、無事卒業を迎え今回グアムに卒業旅行に来ていた。                                                                       グアムといえば綺麗な海、常夏の島、しかしそれ以上に近年ではショッピング色の強い観光地になっている。                                                                             フレイの強い希望で提案された場所だったが、オシャレなどに何の興味を持たないカガリはもちろんのごとく大反対をした。                                                                                   このままでは時期を逃して旅行に行けなくなってしまうのではないかと話し合いが難航していた時だった。ツアーに含まれている選べるオプショナルツアーの紹介ページを見た瞬間、あんなに頑なに拒んでいたカガリが“グアムでいい”と突然言い出したのだ。                               


「それにしてもロマンチックな場所よね〜!!」                                                            首を捻り続ける2人を尻目にフレイはうっとりした様子で目の前の記念碑を見つめた。                                       「ここの伝説話のこと?悲恋話じゃない。恋人同士が婚約者から逃げて崖から落ちてしまうって・・・」                                                                                         「そうだけど!!決して離れないようにって互いの髪を結んで、こ〜〜〜んな高い崖から飛び降りるのよ!?凄い愛よね〜〜〜」                                                                     その伝説にあやかってか、この岬の展望台。さきほどカガリが身を乗り出していた柵には男女の名前が書かれている鍵がいくつもかかっていた。一生離れない愛を表現しているらしい。                                                                    「それなんだよなぁ〜・・・」                                                                        首を捻り続けていたカガリが、崖から見える絶景を目を細めながら突然疑問を口にした。                              「どうかしまして?」                                                               「う〜〜〜ん・・・・?」                                                                               オプショナルツアーのパンフレットに書いてあったその伝説。一緒に掲載されていた光景になぜだか心臓が揺さぶられた。                                                                        “懐かしい”と、感じたのだ・・・グアムなんて一度も来た事無いし、本場である伊豆の恋人岬に行った事も無い。懐かしいなんて感じる要素はまるでないというのに。                                                              なぜなんだろう?とカガリは自分で疑問が尽きなかった。                                                                                             「懐かしい・・・ですか?」                                                                        「うん。なんでだろう?」                                                                                「懐かしい場所って前世とか絡んでくるって言うけど、カガリがこの伝説に関係してるとも思えないわよねぇ〜〜」                                                                        「なんだと!?失礼な!!」                                                                         フレイの発言にカガリが頬を膨らませた瞬間、周囲が・・・特に女性が騒ぎ始めたのにフレイが目ざとく気づいた。                                                            「何、何!?有名俳優でも来たの!?」                                                         「芸能人ってわけでもないみたいですわよ?女性の方しか騒がれてませんわ・・・」                          「じゃあカッコイイ人が来るのね!!」                                                                      「男の人だけでこんな所に?どうせ恋人つきなんじゃないの?」                                                 「ツアー参加者で寄っただけかもしれないじゃない!!こうなったら見に行くしかないわよ!!」                                                                                       「おい!!ちょっと!!」                                                                                           興奮した様子で駆け出すフレイに、しょうがないといった雰囲気で着いていくラクスとこっそりカメラを取り出し駆け出すミリアリアに着いて行けず、カガリはその場に立ち尽くした。                                                                         「ったく海外来てもフレイの良い男観察は健在かよ・・・」                                                 柵に身体をまかせ、大きくため息をついたカガリは空を仰いで未だ胸の内にくすぶる想いに再び頭を捻った。


―――どくんっ


「・・・・・・・・・・・・え?」                                                                                       突然、パンフレットを見た時と同じ衝動が自分を襲う。心臓が締め付けられているようで、今度は眩暈もする。                                                                                         そうして脳裏に浮かぶ映像。モノクロ映画の様に、断片的ではあるがそこに映るのは確かにカガリ自身。                                                                        「・・・・・・・・な・・んだよ・・これ!?」                                                                   激しい頭痛に頭を押さえてうずくまるカガリに、周囲の観光客達が心配そうに声をかけるがカガリはただ流れ続ける映像にとめどない涙を流していた。


幸せだったあの時、そして叶わなくなったアイツとの未来。                                                           それでも想いを裏切ることは出来なくて、たどりついたこの場所で・・・固く結んだ髪束。                                             誓いの言葉。                                                                                                 ――――きっと生まれ変わったら・・・この場所で・・・                                                    ――――必ず・・・忘れないで・・・                                                                          ――――“愛してる”


心臓が熱く焼けそうなほど・・・ずっとこの名前を呼びたかった。必ずこの地で再び恋をしようと・・・今度こそ2人幸せになろうと・・・切望するほどのただ1人の愛する男の名をカガリは叫んだ。


「っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アスラン!!」


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この島には夏という季節しかない。常夏の楽園。小さな独立された島国。                                                      その島国の民全てを統治する領主ホムラ。                                                                                          もともとは前領主の弟で農民なだけだった彼は、獅子王と呼ばれた前ウズミ領主が病気で他界すると共に突然の王座に抜擢され、才も無いまま一国の主の重圧に耐え切れず、今窮地に陥っていた。                                                                            「・・・・・・・こうなっては、覚悟を決めるしかないのでは・・・?ホムラ殿」                                         「しかし・・・・領土の件は分かりますが・・・彼女は・・・」                                                                    「前領主の忘れ形見・・・しかし、ただそれだけでしょう。彼女だって獅子の娘、それで民が救われると言うなら快く了承しますよ・・・」                                                                            「・・・・・・・・・私はウズミには随分お世話になったのです・・・それなのに・・・」                                  「死んだ人間に恩を返して何になるというのです・・・。次に会うまでには良い返事・・・期待していますよ。弟も待ちきれない様子ですからねぇ・・・」                                                「・・・・・・・・・・・・・・・・何と言うことを・・・」                                                                      ホムラは絶望したように痩せこけた顔を両手で覆った。                                                                                              小さいながらも繁栄を見せるこの島国が大国ブルーコスモスに目をつけられたのは最近の事。友好的な関係を見せて近づいて来たその国の王アズラエルの魂胆にホムラが気づいた時は既に実質的にこの国が支配された後であった。                                                           政治の実権は既にアズラエルに握られ、植民地と成り果てたこの国の姿をウズミはどう思うだろうか・・・ホムラはあまりの自分のふがいなさに唇を噛み締め血を流した。                                            


その上彼女まで・・・・・・                                                                                         


アズラエルはこの島国を支配国として扱うが国としての権利を残してやろうと話をもちかけた。実質的に支配はされているが今までと何も変わらない生活を保障してやると言い出したのだ。その交換条件として持ち出されたのが・・・・                                                            前領主ウズミの愛娘、太陽から生まれ出ずる者と称されたほどに美しい容姿を持つこの国の愛すべき姫、カガリだった。                                                                                        そのカガリを欲しているのがアズラエル王の弟ユウナ。稀代の女好きで稚拙な頭脳として噂され、初めて会った時は王族の威厳もなく姪のカガリにまとわりついた彼はホムラでさえあきれたほどの愚かな男だった。しかし、兄のアズラエル王には溺愛されている様子で、残虐王と言われた彼が傍もあきれる交換条件を今回出してきたと言うわけだ。                                                           太陽の娘カガリをユウナに献上しろ・・・そうすればこの国は今まで通りに平和でいられる・・・と。                                                                  「どうすればいい・・・・ウズミよ・・・」                                                                         獅子の娘カガリは誰よりこの国を愛し、その笑顔で国を照らし出す太陽の子・・・しかし、彼女には今愛を誓った相手がいた。ウズミの大事な娘であり自身にとっても大切な姪、そして今1人の青年に一心に愛を受け幸せそうな彼女を人質として差し出せというのだ。                                                                                   「人身御供など・・・なぜそんな残酷なことが出来ようか・・・アズラエル!!」                                                        ホムラは頭を掻き毟り、空を仰いだ。まさにスコールがきそうな大雲がこの小さな島国の未来を予期しているように雨粒を落とした。



「雨・・・止みそうに無いぞ?アスラン」                                                                  空を仰いで天候を読むと、カガリは避難した洞窟の奥で火を起こしている恋人に話しかけた。                                                                                    「そうか・・・取りあえず濡れたままだと風邪をひく・・・こっちで火にあたれ、カガリ」                                                                                    「あぁ!」                                                                                                アスランの言葉に笑顔で返事をすると、カガリはアスランの横に腰をかけ肩に頭をすり寄せた。まるで猫のようなその愛らしい姿にとてもこの国の姫とは思えないな・・・とアスランは苦笑する。                                                                                                                            火の暖かさに眠くなったのかうつらうつらとし始めたカガリの肩を抱き寄せ、アスランは初めてカガリと出合ったのことを思い出した。                                                                                                           初めてカガリを見たのはこの国の獅子と呼ばれるウズミ領主の葬儀の日だった。皆の悲しみを映したかのように空が涙を流していて、そこらじゅうからすすり泣きの声が漏れていた。島内の全ての人が葬儀に参列していて、アスランも数ある列の1つに参列していた。その最前列に背筋をピンと伸ばし涙ひとつ流さない黄金色の髪を持つ少女が見える。その美貌・・・王族の纏う正装姿に彼女がこの国の姫でありウズミ領主の愛娘であることがアスランにも分かった。                                                                                               (・・・なぜ涙をながさないのだろう・・・?)                                                                                                                     アスランの住むはずれの農村にさえウズミ様と姫の仲の良さは時折伝わってくるほどだった。なのに今の彼女は口を固く引き結び、涙ひとつ流していなかった。                                                                                            (悲しくないのだろうか・・・・・・?)                                                                                                                                                                                                                                                                                           リーンゴーン・・・                                                                                    鐘が鳴りウズミ様を埋葬し終え、ほどなく葬儀は終わった。1人、また1人と広場から去っていきほとんど人が見えなくなってもアスランは残っていた。                                                 目が離せなかったのだ。未だに立ち尽くし、やはり涙を流さずに雨にうちつけられる悲しい少女から・・・。                                                                                                                                                                   自分に重なったから・・・                                                                                                                                       アスランもまた昨年父と母を亡くしていた。葬儀の間の記憶は無い。ただ、何度も声をかけてくれた友人の言葉だけが頭に残り、それだけが自分を支えてくれていた。                                                                                        彼女も同じとは分からないが・・・それでも・・・                                                                  「雨がたくさん降ってますね・・・」                                                                                                    アスランの声に緩慢な動作で振り向いた金髪の少女は虚ろな瞳で視線を合わせた。                                                        「そ・・・うだな・・・?」                                                                                                    女性にしては低いアルトの声が響き、アスランは少し動悸を速くした。                                                                          「だから・・・分からないんじゃ無いですか・・・?」                                                                   「何が・・・?」                                                                                  「・・・・・・・・・泣いても、雨と混ざって分からないから・・・だから・・・」                                                                      アスランは自分の口下手に少し後悔をする。もっと上手く慰められればいいのに・・・。                        しかし、アスランの言葉を聞いた瞬間少女は目を大きくし、俯いて体を震わせた。                                                     「あっ・・・あの・・・・」                                                                                              こんなこと言わなければよかったのだろうか・・・アスランは焦った・・・が、                                                           ぽすっ                                                                                  音をたてて彼女はすがりつくようにアスランに抱きついた。                                                 「え!?あの・・・姫様!!」                                                                                              「・・・・・・・まっ・・・」                                                                                          「え?」                                                                                                                                                              「おと・・・・さまっ・・・」                                                                                                悲しくないんじゃない、泣かないんじゃない・・・泣けないのだと・・・                                                              アスランの服を強く握り締め白くなった彼女の手のひらをそっと上から包み込むとアスランは再び空に太陽が現れるまで少女を抱きとめていた。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       虹と太陽の現れた空を背景に、瞼を腫らし顔を赤く染め微笑んだ彼女はまさに国の民に愛される姫君、カガリだったのだ。                                                                                                                    それが初めて・・・                                                                                                            彼女が身分違いの王族だと知っていても、それでも声をかけずにいられなかった。彼女が自分と重なったから、必死に涙をこらえる姿が切なくなったから、それ以上にただ・・・惹かれていたから・・・                                                                                                                                                              それをきっかけに何度も会うようになった2人は次第に思いを通わせ、今の恋人同士の関係になった。身分違いの恋を決して誰にもさとられないように内緒で・・・                  「でも、それもどこまで続くか・・・」                                                                                                         ぽつりとため息混じりにつぶやいたアスランの声にカガリは瞼を震わせ眠りから覚めた。                                                                             「ん・・・ごめん、寝ちゃったな・・・」                                                                                                  「大丈夫。まだ雨が止みそうに無いから寝てていいよ?」                                                                                         カガリはアスランの言葉に洞窟の外を見やるが、確かに未だ激しい雨足だ。カガリはしかし再び眠りにはつかず、体を反転させてアスランに抱きついた。                                                                        「寝なくていいのか・・・?」                                                              「ん・・・アスラン」                                                                                              カガリは顔を上げ視線を合わせた。アスランはカガリの瞳にきっと無自覚に映る色に苦笑すると、細い身体を抱きしめ深く口付けた。                                                                             外のスコールとはうって変わって静かな洞窟の中には水音を奏で愛しそうに重なり合う2つの影が炎に照らされていた。


「こんな夜更けに大事な話があるってどうしたんだ?」                                                                                               アスランとの密会場所からこっそりと自室に戻り、眠りにつこうとしていたカガリは突然の深夜の訪問者にその眠りを妨げられた。故ウズミ領主の弟にして現領主であるカガリの叔父ホムラだった。                                                                                    「先ほどから何度か訪ねていたが不在のようだったのでな・・・・」                                                            「えっ!?あ・・・その・・・ちょっと用を足しに・・・」                                                        「夕刻からずっとか・・・?」                                                                                                                         完全に自分の動向がばれていたことにカガリは項垂れる。                                                       「あ・・・あの・・・それは・・・」                                                                                                               言い訳をするようにもごもごと口を動かすカガリを見やると、ホムラは1つ重い息を吐き出して口を開いた。                                                                                                          「・・・・・・・カガリ」                                                                            「・・・叔父上?」                                                                            


「・・・・彼と別れ・・・国のために、嫁いではもらえんか・・・」                                                                      


瞬間、頭が真っ白になった。                                                           「な、何言ってるんだ?叔父上・・・私は・・・」                                                         「大国ブルーコスモスのユウナ殿はお前も知っておろう・・・?かの軍事国家はわが国の自由と引き換えに・・・お前をユウナ殿に差し出せと申してきた・・・」                                            「そんな馬鹿なことが!!」                                                                 「あぁ・・・馬鹿なことだ・・・しかし、事実なのだ・・・。そしてもし拒否すれば、この国はあっというまに戦火に焼かれ民は奴隷となる・・・」                                                                 「そんな・・・・そんな・・・・」                                                                         あまりの衝撃にカガリは崩れ落ちる。これが夢であれば言いと思う。以前何だか対面したユウナ王子・・・その手が自身の身体に触れるだけでカガリは嘔吐感を覚えたほどだった。その男のもとに嫁げというのか・・・?妻になりユウナのいいようにされ、地獄のような日々を味わえと・・・?                                                                                       嫌だ!!そんなのは・・・!!それに私は・・・・                                                                        濃紺の髪の少年が脳裏をよぎる。さっきまで自分は幸せの場所にいたはずなのに・・・                                                                        カガリは強く唇を噛み締めた。                                                                                                  「すまん・・・・カガリ・・・わしに力が無いばかりに・・・。ウズミならばこの様な事態には決してせんだったろうに・・・!!」                                                                                                           カガリは虚ろな瞳をホムラに向けた。心底自分に失望しているのだろう、顔を歪め涙を流すこの叔父はとても優しい人で、こんな残酷な決断を下せる人ではなかった。それでもそうしたということは、きっと彼がこの国を・・・民をとても愛しているから・・・。                                                そしてそれは自分も・・・・・・


「もう・・・泣かないでくれ・・・叔父上・・・・・・。決めたから・・・・私・・・は・・・っ・・・私も、この国を愛しているから・・・」                                                                                                     「っ・・・・・・・・・・・・すまぬ・・・・すまぬカガリよ・・・・っ」                                                                                         その翌日・・・島内中に姫の結婚の報が発表された。


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島の鐘が荘厳な音を奏でている。町からは賑やかな音楽が流れ、楽しそうに騒ぐ民の声がカガリの自室にまで響いてきた。                                                                     婚儀は明日。国をあげての祝杯の祭りは月が昇りつめた時刻になった今でも落ち着くことなく続いている。しかし、カガリは明日の婚儀に備えて・・・と早々に自室に戻り、外の景色を眺めていた。小高い山の上に建てられた領主の屋敷からは島の景色が一望出来てカガリの大好きな青々とした海も見えた。しかし、カガリが見ていたのは島の端にある鬱蒼とした山から飛び出た断崖絶壁の崖。誰も近寄らないような秘密の場所。そこではカガリはいつも幸せで、かけがえの無い場所だった。                                                                そしてその場所で、カガリは愛する人に最後を告げた。                                                              


「結婚・・・・・・・・・・?」                                                                       「そうだ。・・・・・だから、もう二度とアスランとは会うことはない・・・」                                                                                        一瞬蒼白したよう顔を見せたアスランだったが、そのまま視線を外されカガリは心臓が潰されるように感じた。どんよりと曇った空が余計にカガリの気分を濁らせる。そういえば最近太陽を拝んでない気がするな・・・とカガリはぼんやりと思った。                                  「・・・・・・・・・・・」                                                                                                 「何も・・・・言わないのか・・・?」                                                                       「・・・・・・・・・・・」                                                                                                                    視線を合わせず、無言のままのアスランが怖くなった。もっとなじられるかと思ったから・・・なんで勝手に決めた!とか、酷い女だ・・・とか。でも本当は・・・結婚なんてしないでくれ・・・と、言われたかったのかもしれない・・・                                                                   「・・・・・・・・・・・・・・・」                                                                                                                                                                                「さよなら・・・アスラン。私なんか忘れて幸せになってくれ・・・・・」                                                              声が震えるのが自分で分かったのに、それでも何も言わず最後まで視線を合わせないアスランにカガリはこらえきれず溢れた涙を見せないようにその場を駆け出した。                                                                                                                                       


「アス・・・ランっ・・・・・・・」                                                                                                        あまりにも突然に、あまりにあっけなく別れてしまった。全てが夢で、明日になったらまたあの崖の洞窟でアスランが私を待っていればどれほどいいか・・・!!                                                                              こみ上げるものを我慢できずカガリが両手で顔を覆ったその時、何かがカガリの横を通り過ぎコツンと音をたてて床に落ちた。                                                             


「え・・・・・・何?」                                                                               振り向いて見てみると、床には一輪の花が小石にくくりつけられているものがあった。                                                      それを見た瞬間カガリは瞳を大きくさせ、震える手で持ち上げた。                                                                                 


「・・・・永遠の想いを君に約束しよう・・・」


ぽつりとつぶやいた言葉はいつだったか、晴れ渡る空の下で彼に貰った誓いの言葉。あの場所で、この花をもらいながら・・・                                                                          「アスラン!!」                                                                                                            窓枠から身を乗り出すようにすると、邸宅の建つ丘の下にアスランはいた。                                                                        「・・・アス・・・・っ」                                                                         目じりから抑えきれない涙が頬を伝う。                                                                                        別れを言ったときの様にアスランは何も言わない、しかし紫紺の瞳は決してそらされずカガリを力強く射抜いた。ゆっくりと、その片腕がカガリに向かって上げられる。                                                                                                 思わず伸ばしかけた手をカガリはもう1つの手で制した。ここでアスランの手を取れば、カガリの愛する国は確実に滅びの道を進む。それを放って行けるわけがないのだ。                                                              嗚咽でつまりそうな喉を懸命に開き、全てを終わらせようとした。                                               「行きなさい、カガリ」                                                                                 「!!叔父上!?」                                                                                                 突然かけられた声にカガリが振り向くと、そこには嬉しそうに微笑むホムラが立っていた。                                                                                      「何を言っているんだ、叔父上!?ブルーコスモスは強力な軍事国家だ!従わなければ何も知らない民らは・・・!!」                                                                 「知っておるよ・・・皆。秘密裏に私が伝えさえた・・・お前の結婚が政略である事も、この国の窮地も、そして・・・お前達が愛し合っていることも・・・」                                                             「え・・・・?」                                                                                                       突然の告白にカガリは困惑し、崖下のアスランを見やると彼も知らないことだったらしく驚いた顔を見せていた。                                                                                                 「お前達が真に愛し合っていたなら・・・皆戦う覚悟は出来ている。今日の宴はそのためのものだ・・・逃げなさいカガリ。彼と共に・・・・」                                                                                                                                    「叔父・・・上・・」                                                                                    この国を照らす太陽の子、カガリ。お前が泣いていては太陽も姿を現さない・・・                                       そう言ってホムラはカガリを窓の外においやった。勢い良く飛び出したその身体を、アスランがしっかり受け止めたのを認めるとホムラは叫ぶ。                                                         「幸せになるのだカガリよ!!この国の愛すべき娘よ!!」                                                 突如ホムラの身体が弾けるように崩れ落ちる。その後ろには真っ赤な血の滴った剣を持つアズラエルが歪んだ顔をしてカガリとアスランを見下ろしていた。                                    「こんなことだろうと思っていましたよ・・・。まったく流石は獅子の弟とでも言いますか。命知らずなところはそっくりですよ・・・」                                                                                                                                           先ほどまで賑やかな声が聞こえていた広場の方からは既に叫び声と剣の交じり合う音が聞こえる。                                                                                         「逃げるぞ!!カガリ!!」                                                                                                      地に縛り付けられていたように恐怖で竦んでいた足は、アスランに引っ張られるようにしてようやく動き出した。                                                                                                    「・・・っアスラン!!」                                                              「絶対に・・・君は渡さない・・・!!俺が守るから・・・・・・・・!!」                                   「・・・・・・・・・っうん!!」                                                                                            ようやく聞けたアスランの声は繋ぐ手のひらの様に熱く、力強く、カガリの心を振るわせた。この人以外の誰にこの身を渡すものか・・・死が訪れようと、生まれ変わろうと決して離れはしない・・・!!


恐ろしいほどの大軍がこの島を多いつくし、既に逃げ場を失くした2人は運命に引き寄せられるかのようにいつもの崖の際まで来ていた。追いつかれるのも時間の問題だろう・・・そう悟った2人はそこから動こうとせずに強く抱きしめあった。                                                        「ごめん・・・・・・・・・守ると言ったのに・・・」                                                 「いや・・・守ってくれてるよ・・・。私はいつだってお前の胸の中が一番安心するんだ・・・」                                父の葬儀の時も、今だってこんな窮地だというのにひどく落ち着く。                                                 「・・・ずっと・・・生まれ変わっても・・・永遠の想いを君に約束しよう・・・」                                           「私もだ・・・きっと、この場所で私達また会える・・・。生まれ変わってもまた、お前に恋をする・・・!!だから・・・だからアスラン・・・私を忘れるなよ!!絶対に見つけ出して!!」                                                                                      「あぁ!!この地に誓おう・・・。必ずこの場所で再び出会い・・・今度こそ幸せになると・・・その時こそ決して君を離しはしない・・・」                                                         うっそうとしげる林の向こうから追跡している軍の明りが見える。アスランはカガリの長い黄金色の髪束を優しく梳くと、自分の背の中ほどまで伸び括っていた髪束を前に持ってきてカガリのそれと強く結んだ。                                                                                 「必ず・・・再び会おう・・・カガリ・・・」                                                                      「必ずだぞ・・・・忘れるなよ・・・アスラン・・・」                                                                   「「愛してる・・・・」」                                                                額を合わせ微笑む2人の向こうには暁の空に太陽が姿を見せ、その光で2人を照らし出した。                                                                                              ――――幸せになるのだ・・・この国の愛すべき姫・・・太陽の子カガリよ・・・                                                                       強く抱きしめあった2人の身体が、青空の下蒼く広がる海の底に沈んだ。


――――――――――――――――――――――


「・・・・・・・・っと・・・ちょっと!!大丈夫カガリ!?」                                                                                  「大丈夫ですか!?カガリさん!!」                                                               「ちょっとどうしたの!?凄い涙・・・どこか痛いの!?」                                                                                  何かが覚醒したように顔を上げると、そこには心配そうに自分の顔を覗く見知った顔。                                                 「ラクス・・・フレイ・・・ミリィ・・・・・・・?」                                                                           「どうしました?カガリさん・・・」                                                                        あまりに長い夢を見ていた気がして動揺が収まらない、夢にしてはあまりにリアルすぎて、胸が切なくなる。                                                                                                


「大丈夫ですか・・・・?」                                                                             


心配そうに覗き込む三人の親友の向こう側、低く響く声は聞き覚えのある声でとても愛しくなるもの・・・                                                               「・・・・・・・・・・・・ぁ・・・・」                                                                   降り注ぐ太陽の逆光で、顔が良く見えない。しかし、ちらつくのは以前よりも随分と短く切りそろえられた濃紺の髪。目を細めて顔を仰ぐと、輝くのは自分を変わらず暖かく見つめる紫紺の瞳。                                                                                                     フレイの騒ぐ声が遠くに響き、カガリの周りが静まり返ったような空間に包まれた。ゆっくりとその人はカガリの前に膝を付き、肩ほどに無造作に伸びたカガリの髪を愛しそうに撫で、こう発した・・・。                                                                       「約束の場所だ・・・・・・・・」                                                                                 カガリは震える手で口元を押さえた。確かに彼の顔を見たいのに、視界がぼやけてしまう・・・                                                                                 「わ・・・たしを・・・覚えてる・・・か・・・・?」                                                       「永遠の想いを君に約束しよう・・・・・カガリ・・・・。やっと会えた・・・!」                                                                      頬に添えられていた手がそのままカガリを引き寄せ、広い胸に抱きしめられる。                             ―――あぁ、私はここを知っている・・・何よりも私が安心する場所。                                                    「・・・・っアス・・ラン・・・!!」


きっとこの場所でまた会える・・・・                                                                               生まれ変わっても再びお前に、君に、恋をする・・・・                                                                                  だから・・・・


忘れないで・・・覚えていて・・・・                                                                                                    愛するこの地で再び巡り合う為に・・・・・


fin                                                                                                                                                                                  


                                                                                                                                                


                             


 


                                           

Posted by サクジロウ
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