なんだか急展開に新キャラ登場(笑 そこはリトルマーメイドに沿って蛸さんにしてみましたよ。 アスランもちょろっと登場させましたがまだまだカガリとは絡みません・・・・ しばらくはキララクまみれになるとは思いますが、絶対に後半はアスカガフィーバーにしたいのでしばしお待ちを!!(キララクファンには大変失礼だ)
童話って大抵ハッピーエンドで終わるのに、人魚姫ってすっごく可哀相な話ですよね・・・。(本当は怖いグリム童話とかは覗いて)あれ?そもそも人魚姫ってグリム童話じゃないんでしたっけ?曖昧ですみません・・・・(汗 でも、自分は助けてないのにちゃっかり王子に誤解させたまま婚約者になっちゃった姫とか、そのまま気づかない王子とか、その王子を殺さないと助からない呪いとか悲劇の舞台じゃないんだから・・・と幼いころは読むたびにショックでした。 だからサクジロウは昔から脳内処理で王子が勘違いに気づて結ばれるとか、人魚姫が王子を刺せずに自害して王子が人魚姫への想いに気づいて2人で海にドボンで蘇る・・・とか勝手にハッピーエンド方向に持っていってこうあるべきだ!と盛り上がっていた覚えがあります。よく考えればこのころから二次創作人生が始まってたんですかねぇ?偉大な童話にけちをつけるとはまったく生意気な子供だ・・・(笑 そんなわけでハッピーエンド主義なサクジロウはこのパロディも決してラクスを泡人間にはさせませんので!!結末より文才を気にしろというお言葉はご勘弁を!!(汗 無駄に語りましたね・・・すみません。続きからどうぞ!
突風が吹き荒れ波が高くなって嵐が近づいているのが分かり、ラクスは落胆する。こんなに海が荒れていたらきっと彼の船も岸に戻ったことだろう。 今日は会えない・・・胸が締め付けられる気がしてラクスはそっと手をあて息をついた。大きな竜巻が来る前に深海に戻らなければ・・・想いを振り切るように頭を一振りし、海に潜ろうとした時大波の向こうに船影が見えた気がしてラクスは目を凝らした。 「まさか・・・・・そんな!?」 確かにその船はラクスが今のいままで待ち望んでいた彼の船だった。 「こんな嵐だというのに・・・なぜ・・・!!あれでは竜巻に巻き込まれてしまいますわ!!」 いくら大きく造りの立派な船だといっても後ろに迫る竜巻に巻き込まれてはひとたまりもないはずだ。船からはパニックになった船員が何人か飛び込み、甲板にはそれを止めようとしている船員も見える。その中に彼の姿も見え、ラクスは一瞬にして青ざめた。 ――――危ないっ!! ラクスが言葉にならない叫び声を上げた瞬間、目の前で船が竜巻にのまれ半分に割れ海に沈んでいった。 「・・・・・・・・・・・・・そんな・・・・・・キラ様・・・・?」 初めて見たときの彼の笑顔がラクスの脳裏をよぎる。いつかはあきらめなければいけない恋だと分かっていた・・・でも、こんな別れは嫌・・・!!目の前で彼が死ぬのをただ黙って見ているなんて出来ない・・・まだ、間に合うかもしれない!!ラクスは自分の危険もかえりみず竜巻に向かって泳いだ。
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~~~~~~~~♪ 唄が聴こえる・・・・・ これは夜の海の人魚の歌・・・・? そうだ・・・あの日の夜・・・初めてこの唄を聴いてから忘れられなくなって何度も海に出たんだった。無理を言ってマードックさんにもニコルにも内緒で船を出してもらって嵐に会っちゃったんだっけ・・・。それじゃあここは深海?僕は死んだのかなぁ・・・? でもそれなら・・・会える・・・かあ・・・・さ・・・・ 「・・う・・・・・・・・」 「大丈夫・・・ですか・・・?」 誰かが自分を覗いているのが分かった。しかし視界がぼやけて顔が分からない。 「・・・・・・・・誰?君は・・・・・・・・・・・?」 「・・・・貴方しか助ける事は出来ませんでした・・・・申し訳ありません・・・。」 「・・・皆・・・僕のせいだ・・・・・・無理に船なんか出させたから・・・・」 「・・・・・・・今はお眠りくださいキラ様・・・・・」 「なんで・・・・・・僕なんかが・・・・・・・」 ―――――――生きているの? 冷たい雫が顔に当たり頬を伝うのが分かる。 「君・・・・泣いているの・・・・?ごめんね・・・・」 「どうして謝るのですか・・・?」 「だって・・・・・君が助けてくれたんだろう・・・?なのに・・・・・」 「私は・・・貴方が生きていて嬉しい・・・こうして話せて・・・嬉しいのです・・・・・。悲しまないで・・・キラ様・・・・・」 ぽたぽたと雨のように頬にかかる雫がキラの意識を覚醒させていく。目の前の人の姿がクリアになって視界に入った瞬間・・・・キラはその美しさに息をのんだ。 「き・・・みは・・・・?」 「!!・・・・・・・・さようならキラ様」 「待って!!まだ・・・・うっ!!!!」 体を随分打ちつけていたのか、骨が軋むような痛みが襲い起き上げかけた体を再び砂浜に転がした。再び意識が暗転する寸前に桃色の長い髪の後姿が海に向かって去るのが見えた。 「待って・・・・君は・・・・・」 ―――――唄が蘇る。彼女は誰?あの人魚なの?誰でもいい・・・・・会いたい・・・もう一度・・・会いたい・・・・。(「私は貴方が生きていて嬉しい・・・・」) もう一度・・・聞かせて・・・・・・君の唄を・・・・・・・・・・・・君の声を・・・・・
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「ラクス様!!無事か!?」 「カガリさん・・・・どうしてここに・・・・?」 いつものように自分を迎えに来たようなカガリの姿を見て、ラクスは目を丸くさせた。 「波長で探したんだ!!彼は・・・・・助けたのか・・・・?」 「はい・・・・ごめんなさい・・・勝手に・・・・」 「まったく無理をしすぎだ・・・・・体中怪我だらけじゃあないか。」 嵐の中、壊れた船の残骸や岩に体をぶつけながらキラを探し出し、岸まで連れて行ったためにラクスの体は傷だらけになっていた。カガリは一番大きなあざになっているラクスの左腕に手を当てると、ぶつぶつと何かを唱える。すると、その部分が光り、みるみる傷が治っていった。 「応急手当だから、しばらくじっとしてなきゃ駄目だぞ。それと・・・・もう海面に出るのもやめたほうがいい。こうなっては王にばれるのも時間の問題どころじゃあないから・・・・酷な事だけど・・・」 カガリが顔を俯かせる。本当は自分のことを何より心配してくれているのが分かっていたのでラクスは罪悪感に苛まれた。なぜならもう、自分は決めてしまったから・・・。
――――彼の傍にいたい。あんな悲しい顔をさせていたくない!
「分かりましたわ。本当にごめんなさいカガリさん。ちょっと疲れてしまいましたので・・・・少し休みながら父のところに参りますから、先に行って伝言を頼んでもよろしいですか?」 「え?あ、あぁ分かった。本当にもう無理はしないでくれよな?じゃあ先に行ってるからな」 カガリが深海に潜り姿が見えなくなるのを確認すると、ラクスは今あるありったけのパワーを出してカガリとは違う方向の深海へと向かった。
鈍い海の色。深海魚がゆったりと泳ぎ、不気味な雰囲気を漂わせた岩陰に1人の男が奇妙な液体が入った鍋をかき回していた。その男の下半身は8本に別れ、吸盤のようなものがいくつもついていて、静かな波と共に漂っていた。 「貴方が・・・・海の魔術使い・・・デュランダル様ですか?」 「・・・・・これはこれは・・・人魚の世界の歌姫ラクス・クライン嬢がなぜこのようなところに?」 幼い頃から西の深海には魔術使いの大蛸が住み着いていると聞いていた。辺りの魚達に訪ねまわってようやくたどりつくと噂話から想像していた姿と一分も違わない人物がそこにはいた。 「貴方は対価をさしだせば何でも願いを叶えてくださると聞いたことがあります。」 「・・・・・・・・・・・姫は何か重大な決断をされているようだ・・・」 ラクスは胸の前で両手を組み、瞳から一筋の涙を流した。 ―――――彼の傍に・・・
「私を・・・人間にして欲しいのです。」
深海の中、地上で、運命の歯車が回り始める。
「キラ王子!!よくぞご無事で!!」 「キラ!!大丈夫か!?」 「ニコル・・・・・アスラン・・・・・?どうしてここに・・・」 「お前が船で沖に出てから戻らないとニコルから連絡を受けたんだ。今までずっと兵士達が探してくれていたんだぞ?」 「そっか・・・本当にごめんニコル・・・アスランも・・・皆にも謝らなきゃ・・・」 「いいえ・・・本当に無事でよかったです・・・!ですが岸まで生きて流されてきたなんて・・・奇跡のようなこともあるのですね・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「キラ?どうしたんだ?」 「違うよ・・・・助けてくれた人がいるんだ・・・・」 キラは瞳を閉じてあの唄を思い出す。あの美しくさみしそうな唄を・・・ 「助けた・・・?その者はいったいどこに・・・?」 ニコルの問いかけにキラはゆっくり首を横に振ると力強く拳を握りニコルに言った。
「ニコル・・・人探しの御触れを出して欲しい。僕はもう一度・・・・彼女に会いたいんだ。」
続く
次回はギルバート君大活躍♪の回・・・・かな?(笑 ちょっとクルーゼにするか迷ったんですがまた出てくるキャラとの絡みでクルーゼよりギル君のがいいかなぁ~と思ったので・・・・・ アスカガ出させたすぎて展開早送り気味の早さです・・・すいません(汗
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