【With you】

 

私にしてはめずらしくアスラン視点というか・・・アスラン中心というか・・・

結果的に何が言いたいのか自分でもよく分かんないんですが、カガリとくっつけるまで何年かかるか分からない未来を目指すのは大変で不安になっちゃうよって話です(笑

やりたいのは、深夜に夜這いをかけにくるカガリ(違う

「部屋に入れて」って言わせたかったんです。

続きからどうぞ〜

 

決して気づかれないように・・・

 

隠せば隠すほどそれは深く、固く、濃度を増して自分を掻きたてる。

会いたい?会いたくない?

今、君に触れたら・・・・きっと愛しすぎて壊してしまう・・・

 

With you

「おい!!ザラ!!お前は見ないのか?」

「ん?あぁ・・・・仕事早く片付けたいから遠慮しておくよ。お前達もいつまでも見物に耽ってないで仕事に戻れよ?じゃないと、何のための視察なんだか・・・」

「分かってるよ!!でも、代表首長なんてこんなことでもない限りテレビでしかお目にかかれない雲の上の存在だぜ!?俺いつも休憩入ってなかったから、今日見るの初めてなんだよなぁ〜!」

「まったく、ザラは本当にそういうミーハー精神ないよなぁ・・・。真面目というか堅物というか・・・」

「悪かったな堅物で・・・・じゃあお先に・・・・」

はしゃぐように騒ぎ合う同僚を尻目に、作業室に足を進める。

狂おしいほどに愛しい存在は、目と鼻の先まで来ているというのに触れられないもどかしさが余計に感情を煽りそうで・・・

「雲の上・・・・・ね・・・」

遠い距離に、もどかしさばかりが募る。

彼女と共に歩める未来を夢見て万進する日々・・・微弱に、それでも確かに距離は縮まってきているはずなのに・・・・

―――不安と焦りばかりが自分を蝕んでいて・・・

人気の無い廊下。窓ガラスの向こうには視察に来るカガリが見えた。

人が集まる主要廊下とは別の、まったく人気のないこの通路。                                                                                                                    垣根に邪魔をされて見えないように思われているこの場所が実は視察団を何よりも近くで見ることの出来るベストスポットで・・・                                                                                                                                          最初の視察の際にそれに気づいたアスランは月に1回視察に訪れるカガリをいつもここで見つめていた。                                                            偶然か必然か、すぐにカガリはアスランの視線に気づき、一瞬だけ・・・ほんの数秒この俺のいる窓に向かって笑みを返す。

月1の逢瀬。視線だけの交わり・・・・それだけで、心が震えるほどに・・・

嬉しくて、愛しくて想いを返すようにいつも微笑みを返していた。

―――雲の上の存在だぜ!?

同僚の言葉が重く頭に響く・・・

一ヶ月も待ち望んでいた一瞬の視線の会合・・・・だがその日、アスランはカガリが気づくのを待つことなくその場から立ち去っていた。

――――――――――

ザァーーーーーーーー

シャワーを頭から浴びながら壁に手をつき、アスランはとりとめのないことばかりを考えていた。

自分の未来、自分の気持ち、カガリの気持ち、どこまでいけば君に近づける?どこまで頑張れば、君に触れられる?明確でない未来が彼女への道をあやふやにして、逃げるようにカガリと視線を合わせられなかった自分が、くやしくて情けなかった・・・

「俺は変わってないな・・・」

守りたいのに守れなくて、自分があやふやだったあの時。隣に立って、肩を抱けるユウナの存在に視線を向けることが出来なくて、そらしてばかりだったあの頃・・・・

「何も・・・変わってないのか・・・?俺は・・・・・・・っカガリ・・・・」

会って、触れて、抱きしめたくて・・・・

想いばかりが膨れ上がって、こんな状態で会えるはずがない・・・                                                                                                                                               もっと、もっと力が・・・君を守れるくらいの力が・・・・・

ピーンポーン

思考を遮断するように、大きなチャイムの音が聞こえた。

すでに夜中の1時を迎えてのアポイントの無い訪問に不審がり、アスランはあらゆる事態に備えて動きやすいように再び脱いだ軍服に着替え、インターホンのカメラスイッチをオンにした。

映像を見た瞬間にアスランは驚愕し、目を剥く。

「なっ!!カガリ!!?」

「・・・・よ・・・アスラン・・・・・・」

大き目のキャスケットをすっぽりかぶり、上着で顔を隠しながら立ってはいるものの合間から零れる輝く金色の髪も、こぼれるほどの大きな琥珀の瞳も、アスランの見るカメラからははっきり確認出来て・・・・

「なっ・・・・君は一体何をしているんだ!!?」

「せ、説教は後できちんと受けるから!!・・・その・・・中に・・・・入れてくれないか・・・・?」

「・・・・・護衛は・・・?」

「下で・・・・・待ってる。アスランが中に入れてくれたら帰るように言ってある・・・から・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

 涙交じりに伝えられた恋人の懇願。いつもなら、迷わず迎え入れて愛しいその存在を抱きとめたいのに、いつにもまして感じているジレンマのせいで、すぐにドアを開けることが出来なかった。                                                                      ここを開けたら自分がどうなるかが分からない。                                                                                                                                                                      縮まらない距離への怒りを君にぶつけてしまわないだろうか?

                                                                                                                                                                       君が―――

「開けて・・・・くれないのか・・・・・?」

「カガリ・・・・・・」

「・・・・・ぃたい・・・・」

「・・・・え?」

「会いたいアスラン!!私は・・・ちゃんと、お前に触れて目を見て・・話したい・・・!!!アスラン・・」

結局本当に俺は変わっていない・・・                                                                                                                                 いつも馬鹿みたいにどうでもいいことをぐるぐると考え込んで、君を困らすんだ・・・                                                                                                                                                                                                                             そして、そんなハツカネズミな俺を救い出してくれるのがいつも君であることも・・・変わらない事実・・・・

それが、どれだけ俺の心を震わしてくれるか・・・カガリ・・・君は気づいているか?

駆け出すように玄関に向かい、チェーンを外すのももどかしいほどにドアを開け俯くカガリの腕を引き寄せ強く抱きしめた。

「カガリ・・・っ・・・・カガリ、会いたかった・・・・ずっとこうして・・・触れたかった・・・」

「・・・っあすら・・・・私・・・私も・・・ずっと・・・っんぅ」

カガリの言葉をさえぎるように深く口付ける。このままじゃ愛しさが溢れて君を本当に閉じ込めて、壊してしまうから・・・だから、もう、ただ愛させて欲しかった。                                                                                                     雲の上でも、たどり着かないずっと先にいる人でも・・・それでも、君は俺に会いに来てくれたんだから・・・

会いたい・・・ただその純粋な想いだけを連れて・・・                 

―――――――

「何で、急に来ようと思ったんだ?会うのは規制してるのかと思ってたから、驚いた・・・」

「別に規制してたわけじゃない・・・。今は会う必要がないと思ってたんだ・・・ただ・・・」

「ただ・・・?」

「・・・・今日・・・お前がいつもの場所にいなくて・・・・。不安だったんだ・・・・」

「カガリが?」

「なんだよ!!私だって不安になることぐらいあるんだぞ!!ずっと、会わなくて・・・触れることも話す事さえ出来なくて・・・・それでもいつもアスランはあそこにいてくれたのに・・・・だから・・・私、ついに見捨てられたのかと・・・思って・・・」

驚いた・・・・

自分ばかりだと思っていた。愛しさに苦しくて、もどかしいと感じていたのは・・・

追いかけるほうも待っているほうも、結局は一緒なんだな・・・

――想う気持ちが同じだから、同じくらい不安に想うのも一緒

「カガリ・・・・・」

「なんだよ・・・?」

「これからどれだけ先になるか分からないけど・・・・待っててくれる?俺が、君のそばに立てるまで・・・。こうしてこっそり会いに来なくても触れ合える時が来るまで・・・・。俺は・・・俺は、決してあきらめないから・・・」

「アスラン・・・・・。っ・・・うん・・・・でも、あんまり時間かかっちゃうようなら、また会いに来てやるんだからな!!」

「それは光栄だな」

額をこつんとくっつけて、強く抱きしめあった。

君を愛すことの出来る未来ではなく、君と愛し合うことのできる未来を。望んで、願って、戦って、それでも不安ばかりが募るけれど、

君がいれば大丈夫。君といれば大丈夫・・・。

 

 

 

                                                                                                                                         

Posted by サクジロウ
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